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顧客を選ぶ経営戦略は利益的に正解なのか。

クレーム
今でこそ風俗店の社長をTwitterなどでモテはやされておりますが、社長というのはよそで続かなかったヘタレの人間がですよ、仕方なく自分で商売始めただけ。(わたくしのことです)

ところが上司にあれこれ指示される嫌悪感で起業したのに、実際に自分で運営していくと『お客さん』が上司の代わりになっていく。

毎日の電話番で顧客の機嫌を取り、顧客に怒られ、顧客が満足してくれたか気になってしまう。

そうして徐々に店の規模が大きくなると、次は客層を考えるようになる。顧客にペコペコしていた開業当初を忘れ、ルールに従わない顧客はサラッと排除してしまう。


1人失っても潰れるわけじゃないし!


風俗店の従業員は強面であるべき、なんてステレオタイプの経営者はほとんど見なくなりました。店員さんの接客姿勢も見直されています。

しかし同時に、顧客のわがままは許さない、という風潮に世間はなりつつある。ルールの中の遊びの部分を否定する。

開業当初は『お客様は神様です』と、どんな客層も快く受け入れていたのに、いつの間にか風潮に影響され、『顧客を選ぶ経営スタイル』になったのです。





格安店ほどうるさい法則


叱る
顧客を選ぶ、という考え方は、世間では当たり前です。

たくさんお金を払う顧客により多くのサービスを提供する。上客が逃げないように、きめ細かい接客を行うことは企業努力。

デパートでも上客と一般客とはサービスの内容が全く違います。上客には担当が自宅まで出向いて注文を受ける外商がいる。

風俗経営で例えるなら、風俗嬢さんが『顧客を選んでサービスに差を付ける』ことになります。

上客には愛のある徹底したサービスを。そうじゃない顧客には手を抜く。半分の顧客には絶賛され、半分には叩かれる。こういった娘、たまにいますよね。

お金を使わない顧客ほど『うるさい法則』って、どの業界にもあります。デリヘル運営していても、


格安店ほどうるさい顧客が多い。


『他の写真はないか?』とか『どういったサービスする?』と、めちゃくちゃ詳しく聞いたあげく、遊ばない、なんて人もいる。気に入ったキャストがいても、割引きしないと断固として利用しない。店叩きもケチ客が多い。

逆に高級店でロングコースを選ぶ客層は、さらっと遊んで帰る。

風俗店としては、文句を言わずにちょくちょく遊んでくれるお客さんに満足してもらえるよう、努めた方が効率が良くなる。

暇な時期ならまだしも、お金を使わない顧客に『おもてなし』の対応をしていると、上客が離れてしまう。デリヘルは電話1本ですから、1人の顧客に何分も対応していると、他を受けられないからです。あゝ商売って大変ですね。





顧客を選んで顧客を失う

苦労
では顧客を選ぶ経営スタイルは正しいのか。

わたくし個人的な意見は『No』です。もちろん店舗の特徴にもよりますが、客層を良くしようと顧客を選んだ結果、集客不振に陥る店舗を見てきました。

少なくとも現代の日本では、『おもてなしの心』が美徳とされます。高級ホテルが顧客を選ぶ接客を行った、となれば、炎上必須。売上げガタ落ちでしょう。

将来的に欧米風の『顧客を選ぶスタイル』が主流になったとしても、それは今ではございません。証明しましょう。ステーキけん。ヤンキーの虎としても有名な飲食業経営者、井戸実氏の発言。


井戸


「不味い」と言われるクレームについてはそのお客様の嗜好の問題。と割り切って一切の対応をしません。

なので「不味い」と言うクレームを頂戴してもこちらから積極的にクレーム応対はしないのです。

極端な話で言うと「口に合わないんだから来なければ良い」と、このスタンスでいる事が究極大事なんだと思います。

引用元 ロードサイエナのハイエナのブログ



すげー上から目線だワ!!!


経営者視点で読むと、『だよね、だよね、』と膝を10回くらい叩いたわけですが、顧客目線ではどうでしょうか。この発言で『もう行かない』と思った顧客は相当いるはず。

不味いという意見に耳を傾けない、来なくていい、と発信するメリットがどこにあったのか。

ビジネスとしては正論だとしても、商売人としては不正解だと思う。内容は違えど、風俗店も同じ。サイトやTwitter、電話対応でありがちな顧客軽視。そんなこと言わなくてもよいことまで言ってしまう。

もちろん客層を良くして、女性キャストが働きやすい環境を作ってあげたい気持ちは分かる。

しかし本当に賢い人は知っています。企業が『親切にしてあげている』という立場が、商売にとって都合が良いことを。顧客は企業に感謝し、お金を使ってくれるからです。





顧客を選んで成功するのは自信がある店舗だけ

認知調和
『顧客を選ぶ経営スタイル』を否定的に書いて参りましたが、それはキャスト視点で顧客を選ぶ行為についてです。

じつは、本来の意味で『顧客を選ぶ経営スタイル』は個人的に好きな手法。差別化ですね。

わたくしはマニア向けの風俗を作り、そして『性欲の無い御方はお断り』『ノーマルな御方はお断り』と表現していました。完全に顧客を選んでいます。

単価を高く設定し、変態志向の一部のファンだけで十分な利益が出せるように店舗設計した。

しかし顧客を選ぶスタイルは、自店に絶対の自信がないと見捨てられて終わり。

知名度がある。キャストの質に自信がある。独自のサービスがあるなど、これといった特徴がなければ顧客を選ぶメリットはありません。

顧客を選んで上客に手厚いサービスを行うことは商売として正解。しかし普通のデリヘルが顧客を選んで排除していたら、代わりはいくらでもいるので・・


坐して死を待つだけ


でしょうか。そのうち客層どうのと言ってられなくなります。たとえば味に絶対の自信があるラーメン屋であれば、頑固オヤジの接客だろうが繁盛しますよね。ところがスープも麺も普通なのに、接客が無愛想だといかがでしょうか。自分は2度と行かない。

顧客を選ぶ、という意味を間違ってはいけません。もちろん悪客はどこへ行っても一定数は存在します。出禁も仕方ないと思う。

良客を集めようとする前に貴方が行うべきことは、他に代わりになるデリが無いほどの魅力を作ること。

まずは地域ナンバーワンになりましょう。客層うんぬんの話は、それからでも遅くありません。





本日の格言
商いは門門(あきないはかどかど)客を見て、それぞれに応じた品物を売るのが商売のコツであるという教え。






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Author:福崎小太郎
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