【確定申告】頼るべきは税理士じゃなくて税務署の職員

経済学の比較優位の原理に従えば、全ての仕事を1人で出来るようになる努力は必要ありません。
だいたい忙しい日々を送っていると勝手に優先順位が決まってくるので、無駄な作業は自然と損切りできます。また自分の短所を直す努力より、出来る人に任せた方が全体の効率は上がっていく場合も多い。
一方で起業当初は自分1人で幅広い作業もこなさないといけなかったりもしますし、世の中、知識がなければ『搾取される運命』にあるのも事実です。
たとえばサイトを作るとしましょう。
自分に知識がなく、かつ財布の紐が緩いと、運悪くタチの悪い制作屋に捕まるととことんボラれます。
制作屋は相手に知識がないと分かると、保守や管理費、将来の仕様変更で大きな料金を取れるように設計する。そして、他社に乗り換えられないように簡単にデータを移行できないようにしてとことん毟り取る。
逆に自分にサイトの知識がある場合、ボラれる前に指摘が出来るので費用の見極めもでき、経費を抑えることもできます。
では税金面ではどうでしょうか。
法人化するべきか、個人で行うか。または税理士に頼むか否か。売上額の多いエリート企業様は法人化し税理士に依頼しないといけませんが、年月の浅い中小企業様は自分で確定申告をするのもアリです。
確定申告をススメる理由

自分で確定申告をすることをオススメする理由は、無駄に法人にすると役所に提出する書類も増えますし、税理士に頼むなら顧問料も増えます。
ただし、わたくしがいいたいのは税理士に払う報酬を節約して下さい、といった理由ではございません。自分で確定申告をすると、将来の経理や税務に関する能力が圧倒的に上がるからです。
そしていざ税理士に頼ることになった時も上手くできるようになるし、選ぶ際の判断にもなります。自分の経験でいえば、風俗業界のことを知っている税理士よりも経営に詳しい税理士に頼んだ方が良い・・とかの類です。
経営者であるなら、お金に無頓着なままではいけません。お金持ちになりたいのなら生きたお金を使う、お金の流れを把握する。そして何よりお金に愛し愛されて下さい。
① You must love money.(お金を愛しなさい)
② Love it more.(もっと、お金を愛しなさい)
とはいっても、初めて税務に関わる時は敷居が高く感じる方も多いはず。でも大丈夫、安心して下さい。確定申告程度なら難しくありません。
まずは本屋に行き、パラパラっと立ち読みして、自分に合いそうな本を、1冊か2冊買えばいいでしょう。次に節税に関する一般的なテクニックだけは知っておいた方がいいので・・
『フリーランス&個人事業主 確定申告でお金を残す! 元国税調査官のウラ技』
大村大次郎
はっきりいってウラ技というほどのものはなく、すべてがよく知られており、利用されている節税テクニックですけどね。
いざ税務署とトラブルになると税制というものは形式ではなく、実質的なところを見るようになっているので、変なアドバイスに乗せられてトリッキーな方法は使うべきではありません。
そもそも税務調査が入らなければ自分が申告したことがそのまま通るので、仮に問題になったとしても、それは何年か後の話だからです。
頼るべきは税務署の職員

驚くべきことに国税庁は素晴らしいウェブサービスを提供しており、指示に従ってウェブ上で数字を入力していくだけで申告書類が作れます。
■確定申告書等作成コーナー
https://www.keisan.nta.go.jp/h27/ta_top.htm#bsctrl
さらに一度入力したデータは、毎年再入力しなくてもいいようにセーブできるようになっており、これをプリントアウトして郵送するだけで税務申告は終わってしまう。
また世間的に税務署の印象は最悪ですが、税務署のサービスは民間企業並みに進化しています。税理士にメールを投げてもなかなか返って来ないのに、税務署に電話すると何でも懇切丁寧に教えてくれる。
税理士側にしてみたら、客が経理や税務を自分で出来るようになってしまえば立場が悪くなるだけなので、ノウハウを客に教える必要性がありません。
もちろん税務署も積極的に節税のやり方については教えてはくれませんが、そんなものは1000円の本を買えば全部書いてありますし、手続き面での知識に関しては税理士よりも税務署の職員の方が頼りになったり・・。
さらに確定申告シーズンは、どこの税務署も相談窓口を設けていて、面談しながらしっかりと教えてくれる。
そして、それはすべて無料です。
税理士に頼むにしても、領収書の整理や売上げのデータを綺麗に揃えるのは自分でやらなければいけません。だったら最後の書類を書くところまで自分でやった方が経理や税務能力が上がるのです。
本日の格言
カモにされないように、知識を持つ。
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