大手には大手の戦い方がある(昔ながらの日本式経営)

弱者の戦略は差別化です。
集客数を増やす努力はしても、現実的には大手のようにいきません。そこで高単価で稼ぐことが基本戦略になる。
では大手の戦略はどうでしょうか?
答えは『丁度いい戦略』ですね。高くも感じず、安くも感じず、背伸びする必要がない。美人ばかり揃っている高級店じゃくて、常に適度なキャストが揃っていて、全てが丁度いい感じ。
世の中で1番多い需要は、スタンダードデリヘルです。これで勝てれば本当に強い。
風俗業界にどっぷり浸かると一般感覚を忘れてしまいがちですが、風俗客の多くは、選ぶことが面倒な層です。
出勤や写メ日記を見てキャストを選んでいるように見えますが、最終的には『適当な金額で適当な女がいればいいよ!』といったお客さんは本当に多い。飲み会帰りのサラリーマンや、出張客を想像すると分かりやすいと思います。
差別化、多様化、と言われる時代ですが、一般人は風俗店の区別は付かないんですよね。違いが分かるのは、爆サイなどに張り付いている客層だけ。
一般客は、イメクラもM性感も『デリヘル』という一括りにしか考えていません。違うのは『ソープ』と『SM』くらいでしょうか。もし自分が大手社長なら、風俗の違いが分からず
選ぶことが面倒な客層を狙いうち
しますね。風俗の無印良品みたいな感じでしょうか。殺風景な広告を作る、という意味ではありません。『これがいい』ではなく、特徴は無いけど『これでいいや』と思えるデリヘルを作る。
スタンダードデリヘルで勝てれば効率的です。どんな業界でも1強か2強が決まれば終了。そのエリアでは大きく儲けことは出来ません。残りは大手の取りこぼしを頂戴するだけ。
人口が多いエリアでは既に2強が決まっているので、日銭暮らしのデリヘルは多く、新店が生まれても続けることは難しい現実があります。
『デリヘルは夢がある!』といって叱られないのは子供だけ。いい大人が何の戦略もなしに今更こんなことを言ったら、奥さんは家を出て行きます。
日本式経営を手本にしよう

大手は大手であるがゆえに、次なる店舗展開を目指します。
よく考えられるパターンは、高級路線に走り『ブランド化』を目指すことでしょうか。
美人を選び、高く売る。熊本のブルーシャトーなど、徹底した選抜で成功された事例はあります。高くで売れば生産性が上がり、効率的経営が望めます。
しかしながら、わたくしは『ブランド化』を目指すべきではない派です。ブランド戦略を否定しているわけではありません。ブランドは時間が作るもので、結果としてブランドと認知されることは宜しいと思います。
ところが高級路線のブランド化は店舗展開を行う上で、障害になることは多いです。大手に必要な部分は集客数なのに、高値で売るって人々に支持されにくいんですよね。
それより大手が手本にするべきことは・・
昔ながらの日本式経営
です。昔からの日本式経営は、市場を独占しても価格を上げませんでした。それどころか市場を独占したことで逆に価格を下げたのです。意味が分かりませんよね。高くしても売れるのに、意図的に生産性を下げる行為は、欧米人には理解できなかった。
なぜ独占しても値下げしたのでしょうか。
大きな理由は『地元民に愛される戦略』だからです。あえて価格を下げ、地元民に貢献する会社にした。地域に根ずくこと、地域に愛される経営を目指したのです。
独占状態にして価格を上げれば、生産性は上がります。ところが地元民に愛される店舗を作れるでしょうか。難しいですよね。
風俗店を展開していく時も同じ。隣県に進出しようと思ったら、地元民に愛される手法を取らないと続きません。
今ある地元店より愛されることです。
地元民を雇い、利益を地元に還元する。そして心から支持する人々が増えていく。こういったことは個人店には出来ません。個人店は自分のことで精いっぱいだからです。
価格を下げてまでとは言いません。しかし高級路線は地元から愛されにくい。美人を高値で売らないことは生産性を下げますが、全国展開を狙う上で先人達の戦略を見習うべきかもしれません。
大手だからこそ出来ること、大手には大手の戦い方があるのです。
大手の囲い込み戦略

スカウトマンを使う店舗は、生産性を下げます。
個人店に毛が生えた程度のデリヘルで、スカウトマンを頼っていてはいけません。たとえ黒字でも。
スカウトマンは鵜飼の鳥と同じく、生かさず殺さずを基本精神にしています。少し黒字になる程度の貢献はしますが、これではいつまで経っても大手の道は開かれません。
しかし大手になろうとする段階になると、話が変わってきます。高額の顧問料を払ってでも、積極的にスカウトマンを利用すべきです。どうしてか。
格上げを狙う
からです。顧客料金を値上げする意味ではありません。自店の格を上げ、他店を一気に突き放すための施策。スカウトマンは人脈が凄まじく、美人キャストも多く抱えています。求人媒体には存在しない美人もいます。
お金を使ってでもスカウトマンを利用することで、大手になれる可能性はグンと高くなります。また大手が大手であり続けるにも・・です。
大手になると、個人店にはない顧客の回転数が見込めます。こちらが大手ならではの強み。スカウトマンを使うと生産性は下がりますが、集客数で稼げてしまう。
最近、京都でスカウト関連の事件がありましたね。こちらの何が問題だったかというと、風俗店からホストから何から何まで自分のところで女子を回していたので、恨みを買って捕まった。やり過ぎて失敗したケースです。
京都レベルとは言いませんが、外交が上手い大手の社長は、スカウトもホストも飲食店も皆つるんで、
ホストの役割になって囲う
わけです。周りを巻き込んで1人のキャストを囲う。1人で何人ものキャストを抱えることは難しくても、複数の協力があれば抱え込める。
外交能力がある御方なら、スカウトマンの付き合いを強化することだっていいんじゃないでしょうか。新宿の大手社長なんて、月1回、スカウトマンを集めて草野球なんてやるほど熱心。大手になるためにスカウトマンは必要悪です。
・・なんて口でいうのは簡単ですね。
それが難しいので小規模デリヘルはいつまでも小さいまま、その日暮らしが続いていく。『怠けたいなら友達を作りましょう、友達がいないならモテる努力を続けましょう!』といった感じでしょうか。
大手が大手でなくなる日

大手が大手として続けられなくなる原因は、顧客に目を向けなくなった時です。共通しています。
売上げに関係ない組織の内部問題に目を向ける。顧客のことより、ご自身の都合を優先して経営するようになる。
常に顧客のことだけ目を向けていられると良いのですが、内部問題はどの店舗だって出てきます。女絡みや売上金をくすねるなど、スタッフの裏切りもあるでしょう。組織が大きくなればなるほど問題は多くなります。
また、売上げが悪くなってきた店舗を看板変えて1からリニューアルした方が良いと気づいていても、『落ちた』と叩かれることを恐れたり。
背負うものが大きくなればなるほど、身動きが取れなくなるし、経営が長くなれば長くなるほど、
過去に縛られてしまう。
こうして顧客視点を忘れてしまう。せっかく地域トップまで来たのに、じわりじわりと後退していくケースは珍しくありません。
社長は過去の栄光を引きずり、復活できると信じていますが、時間とともに状況は悪化していく。こうして大手は大手でなくなるのです。
デリヘルが増えすぎたせいで、店舗辺りの売上げは右肩下がりです。大手が大手であるには、どうしても店舗展開が必要。そして顧客のことを常に考えること。顧客はどう思っているか?を忘れると終わりの始まりです。
幸いなことに、全ての都道府県を制覇しているグループは存在しません。サンキューは全国制覇に近い存在ですが、また別物ですからね。
ということで、大手の皆様は零細企業を潰し、シェアを拡大。零細企業の皆様は潰されないように頑張っていきましょう。今日もファイトです。
もし自分が大手風俗の社長だったらコンセプトなんか考えず、風俗に理想を求める客層は捨て、選ぶことが面倒な層を鷲掴みにするような店を作るかな。
— 福崎小太郎 (@kotarofukuzaki) 2017年9月2日
本日の格言
社長の仕事は毎日現場に出て指揮棒振ることではありません。