売れない風俗嬢の悲劇の物語

長く風俗経営をやっていると、たまにとんでもない美女の入店があります。
可愛いだけではなく、愛嬌があり、とても素直。『保証だ、バック率だ、雑費だ』などのグタグタが一切ない。文句一ついわない。ハードサービスだってすんなり受け入れてくれる。
もちろん、そんなことはしょっちゅう起こることではありません。風俗の女神様が気まぐれに微笑んでくれた時だけ。それは半年に1回かもしれないし、1年に1回かもしれない。
うちじゃなくても、他のデリヘルを探せばもっと良い待遇で働けるレベルなのに・・・と思うことさえあります。風俗はお金、稼ぐ為にやっている、という仮説は、これで崩れるわけです。
一方で、問い合わせの段階から待遇に非常にシビアな女の子もいます。または保証を狙った体入荒らしみたいな女の子だっています。いわゆる風俗スレです。
どうしてこうなってしまったのでしょうか?
それは、経験から学び取ってしまったのです。
彼女達にはとても悲しい物語があったのです。
保証や円盤は女の防衛反応

売れない風俗嬢さんは自分に甘い、といわれればそれまでですが、彼女達は彼女達なりに頑張った頃もありました。未経験から入店した時はガムシャラに励んでいたし、何とか売れようと悩んだ時もあったでしょう。
店員から言われるままに写メ日記を更新し、あんなに不味い精液を口に出されても笑顔を忘れず、中には『本番』までしてなんとか指名に繋げようとしたこともある。ところが、いくら彼女達なりに頑張ったところで
報われなかったのです。
ホロ酔い状態で彼女達を見ると、ギリギリ一発やるぐらいの魅力は持ち合わせていますが、2回目はちょっとごめんこうむりたい、というレベルの女子が風俗業界に1番多い層だと思います。
お客は調子のいいことをポンポンと言ったり、あの手この手で求めてくる。自分も指名が欲しいので、それに応じて本番すると、行為が終わったとたんにお客は覚めてしまい、2度目は永遠に訪れない。結局指名が取れない。
これが売れない風俗嬢さんの共通したストーリーです。
実際のところ、本番しても何かが盗まれるわけじゃないし、減るものでもありません。ところがソープ嬢がOLの何倍もお金を稼げることを考えると、女にとって好きでもない男とセックスするのはそれだけ苦痛なのです。
さらにいえば、本番という行為をしてまで指名を取らないといけない、という状況に追い込まれていたのかもしれない。
しかし、こうやって頑張ったにも関わらず報われなかった時、彼女達は何か大切なものが自分の中から盗まれてしまったような
心の痛みを覚えてしまった。
だから行為の対価、円盤や保証などの報いを得たい。高圧的な態度や、素直に捉えられない受け答えなどは、自分の心をある種の痛みから守りたい、という女の防衛反応から生まれたのです。
彼女達の悲劇の歴史からできたのです。
売れない風俗嬢の残酷な人生

可愛く、まともな受け答えが出来る風俗嬢さんには、こんな経験がありません。お客さんはみんな優しく、やればやるだけ報われます。
『また、会いたい』『次回はいつ出勤?』『もし良かったら、付き合いたいな』『好きだ・・・』。
残酷なことに、生まれつき可愛いルックスとセクシーな身体を持って生まれてきた女と、そうでない女達の間には大きは隔たりがあります。
稼ぎも違うし、店員の態度も違う。プライベートだって可愛い娘の恋愛事情とは全く違う。こうして売れない風俗嬢さん達は、誰からも必要とされず、評価されず、愛されることなく、どれだけ悲しんでいることでしょうか。
わたくしはよく『売れないものを何とかして売る実力を付けましょう!』『非効率でも育てていきましょう!』と言います。これはとても大事です。
しかし現実的には誰がやっても無理なこともあります。面接で不採用にしたり、試しに採用したけれど、やっぱりクビにしなきゃいけない時もあるでしょう。
誰もそんなことはやめろと言いません。
自分も非情の決断をしてきました。
でも、たとえクビにすることになったとしても、優しい言葉で何か上手い言い訳を考え、そっと辞めてもらいましょう。それが彼女達の救いになる時もあるでしょうし、他の店の為にもなる。
また、下手に『恨まれる』ことを防ぐ為にもです。店の内部情報や状況がどうやってバレるかというと、クビになった従業員が恨んでチクるからですよね。
魚釣りでも目当ての魚じゃなかったり小魚だった場合は、傷つけることなく針を外し、そっと水の中に返します。無用に獲物を傷つける必要はありません。
そして女の子達は、過去がどうであれ、自分に自信を持つことです。自信は魅力を何倍にもします。次の店舗で働く時は、今までの人生で一度も傷ついたことがないかのように振る舞うことです。
本日の格言
たまには売れない風俗嬢さんの歴史も振り返ってあげよう。