2017年版 悩める風俗経営を質問から振り返る①

今年第1号のブログなので、何か気が利いたネタを探していたのですが、これがなかなか・・。そこで昨年、仕事やメルマガで頂いたご質問の中からピックアップした内容を2回に分けて書いて参ります。
ちなみに1番多い質問は『求人について』でした。
『広告プランを変えたら効果が出るか?』『求人サイトを作ったらどうなのか?』的なことです。利益が出た分をさらに投資して、もっと利益を出すのがビジネスの基本だとはいえ、もし失敗したら先に出た利益はふっ飛んでしまう。
10万円使って20万円儲けた。儲け分を投資に使わなければ、先に出した10万円の利益は確定する。
ここで経営者は悩むわけです。
何かを得るためには何かを犠牲にする、なんことは商売において当たり前ですが、投資に精神論は関係ありません。またそれが上手くいく保証はどこにもありません。
努力の方向性、という問題もあります。
どれだけ完成度が高い広告バナーやサイトが出来たとしても、女子に見てもらえる導線を甘く考えていると失敗する。お金の無駄使いになる。
努力しても、投資しても、現在行っている努力が本当に正しい方向なのか、結果が分かるまで確認する術がないのです。いや、厳密にいうとウェブ関連では『A/Bテスト』を行えば数字で証明されます。しかし手間も費用も掛かってしまう・・
といった感じで、2017年に頂きましたご質問を紹介させて頂きます。皆様のお役に立てる内容を書けるか分かりませんが、今年もご精読頂ければ幸いです。
2017年を振り返る①

Q.集客効果がある割引きは?
新人の割引きは集客面から見れば効果があります。しかし新人は割引きしなくても予約が入りやすくもあります。特に可愛い業界未経験なんてそうですね。何もしなくても高値で売れるのに、安売りする必要はないと考えるのは普通です。この辺りは機会損失をどのように考えるかでしょうね。自分の場合はプレミア感を演出させるために敢えて『新人割引き』を使い、出来るだけ長い期間予約で埋めさせる。そして店舗の立て直しを行ったこともあります。
Q.コース追加で気を付けることは?
割引きでもコースでも、オプションでもそうですが、足し算方式で上手くいくってわけではありません。足した分だけ引きましょう。欲張って引き算を忘れると、『迷走』する原因になります。良い例がテレビのリモコンですね。あれもこれも機能を付けると何のボタンか分かりません。人は分かりづらい風俗店を利用しない、というのは、わたくしの苦い経験です。
Q.さらに店を増やしていくには?
風俗1店舗の客数は、オープンして3~4年の結果で頭打ちになります。その後は横ばいか、下降線か。もちろん個別の話をすると、画期的な求人の仕組みを作ったりして盛り上がることもありますが、大抵の場合は新しい店を出した方が早い。
店舗を増やしていく時点でさらに必要になってくるのが『構成力』。どんなに優秀な経営者でも、自分1人で何店も切り盛りできません。部下に上手く働いてもらうには、自分の考えを順序立て整理する力がなければ伝わらないし、説得力も出ない。集客にしても人を惹きつけることはできません。店作りでも、動画でも、文章でも、同じようなネタでも面白く作れる人とそうじゃない人の差は、構成力の差です。
Q.マーケティング能力を磨くには?
マーケティングと一口にいっても範囲が広いので、一概にこれがオススメとは言えませんが、全体的にいえるのは、専門知識や用語、先入観を前提に考えてはいけません。まずは『顧客の立場になる』ことですね。あと書籍でいうと、『新・あのヒット商品のナマ企画書が見たい!』がオススメ。カルビー株式会社の『Jagabee』やエステー株式会社の『消臭力』など、人気商品の立ち上げ時が分かる1冊になっています。
Q.経費を抑える経営方針について
金を生まないモノの経費を抑えるのは当たり前です。またいざという時に貯めておく、というのは経営者の仕事でもあります。さらには稼ぐと税金が掛かります。しかし問題は、どの部分が金を生んでどの部分が生まないのか判断を間違えてしまうこと。凡人と金持ちの違いって、金持ちは金の使い方が結果的に上手かったわけです。そういう意味で、バシバシ削減するというより、何に金を使えば儲かるのか固定観念を外して見つめ直してもいいかもしれません。
また立ち上げてからの年月にもよりますが、起業初期は成長率が高いです。月5万円分の経費を抑えるならその分を稼いだ方が、宜しいと思います。
Q.セックスロボットの誕生で風俗はどうなる?
最近ではAI、風俗的にいえばセックスロボットの誕生がまことしやかに囁かれていますが、ここ半世紀くらいに実用化するとは思っていません。よく考えて下さい、わたくし達はあんなに簡単な確定申告でさえ四苦八苦して書類を作っているくらいです。それより問題は、海外からの労働移住者です。安い外国人娼婦が増えれば日本の風俗料金はさらに安くなり儲けは減るでしょう。語学を勉強し、闇のブローカーになれば、デリヘル経営するより大儲けできるかも(笑)
Q.スマホ広告のポイントは?
ネット広告全般にいえることは、『どれだけクリックしてもらえるか?』に尽きます。スマホはPCより画面が小さいので余計な情報・文言・画像は外し、メインを大きく見せて目立たせること。わたくしの場合だと、『コレはあった方がいいかな?』程度の情報は外し、『絶対外せない!』モノだけに絞りに絞ります。
Q.良い求人サイトを作るには?
これは答えが決まっていて、『女子が好感を抱くデザイン』ですね。内容や文章はどこも変わらないので、やはり違いを出すならデザイン能力になるかと。あとは・・応募する人の気持ちになれば分かりますが、『いかに女子の不安を取り除くか』でしょうね。
テクニックについてですが、現時点ではスマホ版が重要なので、アプリや携帯ゲームを研究した方がいいかもしれません。ボタンの配置などよく考えられていて、参考になる部分が見つかるはず。ポイントは『親指の操作性』です。
Q.業界未経験者が欲しい。
簡単にいえば未経験者がいる所を探して切り込んでいくだけです。導線を引くわけですね。未経験者がいる所、というのは、そうですねぇ・・女子はどういったことに興味を持ち、どういった所に集うのか。その行動をよく観察していれば見つかると思います。
Q.SEO対策で、求人サイトにテキストを多く使うべき?
現時点では検索と求人サイトの相性は良くありません。全国ほとんどの地域で大手求人媒体が独占しているからです。しかし将来どうなるかは誰も分かりません。もしSEO対策、という観点から見るなら、求人サイトと同一URLのブログ機能を付けましょう。
しかしより多く女子に応募して欲しい、という本質を考えるなら、テキストは少な目が宜しいかと思います。エステや脱毛系のスマホサイトを見ると、文字のほとんどが画像です。女子はテキスト文を読んでくれない、というデータが実在するからです。逆にテキスト文の隅々まで読む娘というのは、既に応募の意思を決めている娘だけです。
Q.女性を騙す求人に抵抗を感じてしまう。
歴史上の偉人から、『騙す』という意味を学びましょう。たとえば『海賊とよばれた男』のモデルである出光興産の創業者 出光佐三は、アメリカに向かうと思っていた乗組員に行先を告げず、悪い言い方をすれば騙してイランに向けて出港します。それが国内外から喝采を叫んだ『日章丸事件』です。
騙して、説得して、どちらでもいいのですが、それで入店させることが悪いと考えるべきではありません。その後の対応次第で、女子に持たれる印象は全然違う。これらを上手くやるのが店員の器量だと信じましょう。騙さないでも店のブランドだけで入店してくれる日まで頑張ればいいのではないでしょうか。
Q.うちの社長は求人対策にケチります。
仕方ありません。人は必要と感じないモノにお金を使ったり、行動することはありません。努力が給料として報われるかは別ですが、『Kaizen』という言葉を世界に知らしめたトヨタ生産方式では、改善は上からの命令で実行するのではなく、従業員が自ら知恵を出していくことが特徴です。
Q.身バレ対策に、在籍ページを全削除すると?
わたくしは市場原理を信じております。そして市場原理に逆行する行為は慎むべきだと思います。確かに風俗、特に地方では『バレる』というリスクは大きく、気持ちは分かります。しかし、いくら求人のためとはいえ集客要素を排除することは、将来の失敗の種を蒔くようなもの。もちろん自分が食える程度の売上げがあれば良い、拡大する気はない、といった形であれば削除されて宜しいかと思います。
Q.情報が多く、何を信じていいか分からない。
サイトの構築など、数値で表せるモノに関しては証明できますが、残念ながら自分の考え方の多くは『正しい』と証明できません。わたくしとしても歯がゆいところではあります。ただ1つ言えることは、金儲けに役立つ考え方と役に立たない考え方があります。客観的に見て、金儲けに有利な知識を脳に埋め込んだ方が得策ではないでしょうか。
Q.社長の立場なのに、モチベーションが上がらない。
気持ちはめちゃ分かります。たとえば安定した月400万円と、攻めて掴んだ月500万円だったら、400万円でいいや・・と思った昔の過ちがあり、自分もそのうち殻を破らないといけないとは思っています。その反面、投資の世界でも『休むも相場』という格言がありますので、危機感だけ忘れなければ、今はそういう時期だと思って仕事さぼってハッスルしてもいいかもしれませんね。
本日の格言
オープンして3~4年後の結果で頭打ちになる。