人は何にお金を払ってくれるのか?(不景気の時代に突入する前に)

予言します。近い時期に不景気になるでしょう。
風俗業は経済学の教科書通りにはいかない特殊な分野になるので、不景気って優秀な人にとっては経営手腕を発揮できる素晴らしいタイミングです。
ただし優秀な方でもキツイことは変わりません。
不景気の始まりから底までは皆同じようにキツイ。おバカなわたくしめは2度同じ過ちを繰り返しました。
ITバブルの時も、リーマンショックの時も、最初は全く不景気を感じることなく余裕ぶっこいていたら、後から痛い目に合った。
震災直後は客足が遠のき、利益はほとんど出ませんでしたが、だからといって景気が回復したからって利益が増える感じでもない。ここが教科書通りにいかないところ。
世間は株価が上がったり企業の業績が上向いたりと好景気だっていうのに、自分の店なんて去年の2月と3月は赤字。潰して再スタートするきっかけにもなってしまいました。
これには『求人』との関係性があって、好景気だと全体的に求人が減ります。去年はその傾向がモロに出たんじゃないですかね。お客さんはいるのに募集が付いて来ない。
では不景気になると、風俗店はどうなるのでしょうか。
基本的にお客さんの数はグンと減る、と考えましょう。ところが不景気も中盤になると求人が活発に動くので、経験からいえば、女子さえ揃うと
景気が悪かろうが集客できます。
そして女子を囲えない店は簡単に死ねるので、ライバルも減る。だから真面目なデリヘルは、不景気の底にいても実感が湧かなかったりもするんですよね。
もちろん深刻な不況になり在籍が多くなると、新人を十分に稼がせられなかったりと、それはそれで集客に苦労することになるわけですが、それでも風俗経営にとっては女次第、というか、やり手の御方にとっては不景気の方が都合が良いのかもしれません。
風俗店のコスパ計算

コスパを優先される時代ですが、不景気になると、より一層コストパフォーマンス(cost performance)を求められます。
人々にとって、お金が何よりも大切であり、質と価格のバランスに敏感になる。
少し高くても価格に見合う満足感の期待が持てれば利用する。逆に吊り合いが悪ければ選ばれることはありません。
風俗店のコスパ =(キャストの質・サービス内容・店員の総合的な接客)÷ 価格
ここで問題は、風俗店の利益率です。現在の風俗業界ではキャストの給料単価は上がり、サービス価格は下がる状況が続いていること。
『利益は出したい』『コスパも提供したい』となれば、落としどころは薄利多売で回転数で稼ぐしかなくなります。もちろん安売りが悪いわけではありません。それも戦略の1つですし、安ければどうでもいい層だって存在します。
ただし経営が悪化しちゃったから広告費を削る、なんて状況になるなら、値下げは一切しない。割引もしない。
では不景気になったらどうやって生き残るか。
単純に顧客の心理を掴む、顧客の声に耳を傾けることです。決してお客のいいなりになるわけではありません。
たとえば『返金保証』というものがあります。デリヘルでいえば『チェンジ無料』のたぐいもそうですね。日本人はNOが言えない人種なので、そちらを見通してもう少し工夫する。
利用してもらう理由を作る。
風俗店は顧客がリピートするタイプの積み上げ型のビジネスであり、どこの店舗もリピーターを大事にしていると思います。
加えて新規客に利用してもらわないと、現実的には経営が続きません。その新規客はどのデリヘルを選んだらいいのか分からない状況。
ここで『返金保証』や『品質保証』は人がお金を払う上で重要な価値になる。人はデリヘルで得られるメリットより、大切なお金を支払い、地雷を踏む、というリスクを回避したいと思っています。
全く同じデリヘルがあるとしても、安心できる方を選びたい、というのはいかにも日本人的メンタリティであって、ビジネスをする上でそういう人がたくさんいる、というのは重要なポイントです。
人は何にお金を払ってくれるのか?

わたくし自身が風俗経営で上手くいったきっかけは、『サービス内容』や『風俗嬢の技術』にめいいっぱい舵を切ったからです。
しかしそれは競合するライバルがなく、風俗業という小さい枠の中ですが『新たな市場』を作り上げたから。
ぶっちゃげ、需要と供給からみれば『風俗嬢の技術』に高値は付きません。フェラが上手いとか、素股が上手いとかの類ですね。金銭的な価値を付けたとしても2千円割増しになる程度。いわゆる指名料くらいの差額です。
そもそも日本では、人の技術というのが軽んじる傾向にあります。技術に価値を見出してくれないのです。それよりも高級素材とか、品質を使ったもの、肩書などの分かりやすいものに価値が生まれる。
たとえば高級な素材を使っているから、この商品は高い。というのは、理屈の上でも納得できるし、
高い値段が取れる。
デリヘルは本来、需要が大きいサービス業です。ところが経営者を含めた中にいる人々が、顧客心理なんて考えず、自分が提供したいものを提供する、という資本主義社会に不向きな人が多いのも事実ですよね。他店のサイトを見ていると、そう感じる方も多いはず。
人は何にお金を払ってくれるのかを理解しようとしないから、伸び悩んでしまう。
ご自身で考えることが難しければ『勝ち馬に乗る』しかありません。不景気になると、新たなジャンル、または形態が生まれやすいので、現在の店舗に固執せず、流行りに乗ることもアリです。
業種は違いますが、格安で若い女子と呑める『ガールズバー』は不景気に生まれましたからね。
総じていえることは、不景気の時代でも高値で売り、利益を確保したいのであれば、人は何に価値を見出し、何にお金を払ってくれるのか。徹底して現実を見てもいいかもしれませんね。
もし自分が大手風俗の社長だったらコンセプトなんか考えず、風俗に理想を求める客層は捨て、選ぶことが面倒な層を鷲掴みにするような店を作るかな。
— 福崎小太郎 (@kotarofukuzaki) 2017年9月2日
本日の格言
未来が見える人が行動することで、未来が変わる。